2025年6月から8月にかけて、SANOMAGICではマホガニーバイク43号機の制作に取りかかりました。
末四郎によるテストライドを終え、9月末に無事、オーナーに引き取られていきました。
43号機オーナーはヒルクライムのレーサーです。
43号機もこれから、各地のヒルクライム会場で皆さんにお目にかかるでしょう。

切り出したマホガニー材からバンドソーで薄板を切り出し、両面に超精密鉋（カンナ）をかけて平滑にする。
この工程を経ると、これだけの量に減ってしまう。

フレームを構成するトップチューブの積層工程。
マホガニー薄板を特殊接着剤を挟んで重ね、2枚の強靱な型板でプレスする。
多数のクランプが積層体を締め上げ、巨大な応力が積層体に閉じ込められます。

同様に、ダウンチューブの積層工程
フレーム形状が変わる時は、型板も作り直します。

積層体を貼り合わせたシートチューブを旋盤加工する。

各パーツを自転車の形に並べてみると、こんな感じ。

マホガニーハンドルの組み立て。
軽量化のために中空に加工されています。

マホガニーサドルの組み立て。
一見、堅そうですが、長時間座ってもお尻に優しい。

フレームの軽量化のために、トップチューブを中空化する。
肉厚3mmまで中心を削り、3mmの蓋を貼り合わせます。

トップチューブ、ダウンチューブと、それらの蓋。
蓋ももちろんマホガニー積層体です。

フレームを組み立てていく。

シートチューブとシートポストを接合する。

トップチューブとシートポストを接合する。
接合部には木造船技術で使われるマキハダを詰めて、弾力性を持たせる。

フロントフォークを積層体から切り出して、滑らかに整形する。

マホガニーフレームの完成！
まだ下塗りの途中ですが、紅い飴色に輝いています。

こちらは、マホガニーリムを作るためのマホガニー薄板。
一枚ずつ両面に超精密鉋をかけて高度な平面を作る。

マホガニー薄板を環状に貼り合わせて、真円のリムを作る。

完成したマホガニーリム。
金属製に負けない高い剛性と、マホガニーに由来する弾力性を持ちます。

完成したマホガニーバイク43号機の重さを計る。
ペダル無しで8.36kgでした。

マホガニーバイク43号機の勇姿。
惚れ惚れするマホガニーレッドですな。
この赤みは陽光を吸って、ますます濃くなっていきます。

今回のコンポーネントは、デュラエースとRED eTapの組み合わせ。

電動変速なので、ケーブルが無くてすっきりしますね。

オーナーのヒルクライム記録を、これから次々と塗り替えていってくれるでしょう。

末四郎のメールから：
「本日、43号機のオーナーが引き取りに来て無事に納車できました。
今度のオーナーもヒルクライマーで、アマチュアのレーサーです。
42号機で確信したフレームの削り方で作った43号機は、
GOKISOのハブではなく、通常のノバテックハブですが、
いつもテストする5．6kmの坂を、42号機より早く上がって来ました。
平らな道では、42号機の方が若干速く走った様です。
今回の試験で、坂ではゴキソのハブの効果はあまりない様に思いますが、
平坦な道では、回転が滑らかなGOKISOに若干部がある様です。

最近のマホガニーバイクは、軽いマホガニー材がないので、
新木場時代より1Kg近く重いのですが、明らかに性能は上がっています。
43号機のオーナーも、本日の引き取りの際、
工房の前の10パーセントの坂を軽々と登る性能に驚いていました。
一生懸命作った自転車だけに、喜んでくれる事が１番のご褒美です。」

43号機、ヒルクライマーのオーナーの元で、末永く達者に暮らせよ。
次回は、43号機のテストライドと、
マホガニーバイクチームの楽しいツアーの様子をお届けしますね。

PREVIOUS | NEXT

• Lineup of Wooden Ships designed and manufactured by Sueshiro SANO
• Lineup of Mahogany Bikes made by Sueshiro SANO
• Lineup of Mahogany or Teak furnitures made by Sueshiro SANO
• List of all video files in this home page
• Race Results by Mr. Chomei and his Mahogany Bike No. 7

日本語Topへ戻る
Back to English Top