SANOMAGICでは、2025年3月10日～4月26日に
マホガニーバイク42号機の製作を行いました。
本機のオーナーは、Mt.富士ヒルクライムで表彰台に上がったこともあるかた。
寸法やパーツ選定にも厳密な設定がされているそうです。
製作過程を一緒に見ていきましょう。

42号機用のホンジュラスマホガニー材木。樹齢500年ほど。
もはや地球上に良質なマホガニーの大木はほとんど残っておらず、
ワシントン条約により1980年以降輸入もできません。
世界でも数少ない貴重品。SANOMAGICも在庫限りです。
この写真の材木量をよく見ておいてください。

先の写真のホンジュラスマホガニー材を、
マホガニーバイク42号機用の薄板にしたところ。
一枚ずつ、両面に超精密鉋をかけて高度に平滑化してあります。
あれだけの材木が、これだけの量の薄板になってしまう。
他は全ておがくずに...

フロントフォーク用の薄板を特殊な接着剤で積層して、
型板に嵌めて圧縮成形する。
曲面に成形する手順はノウハウの塊です。

こちらは、フレーム用の薄板。
型板内で薄板を積層し、多数のクランプの巨大な力で圧縮する。
これによってSANOMAGICの積層体の強靱さが生まれます。

積層工程を経て、マホガニーバイクの各パーツが生まれる。

ハンドルの下半部分。
軽量化のために、それぞれを二つに切断して、
分割面を削って中空に加工する。

シートチューブを下から見る。
シートチューブの中も、円筒形にくりぬいて、中空加工がされています。
右の尖った部品は、シートチューブの下端を塞ぎます。

中空のシートチューブを旋盤で円柱形に削っていく。

エンド金具の型紙。
下の黄色いシートが貼られているのは、
ジュラルミン（A2017）の厚板。
ここから手作業でエンド金具を切り出していく。

末四郎が切り出したジュラルミン製のエンド金具。
金属加工も全て一人でやっています。

中空加工されたハンドル下部、シートチューブ、シートピラー。
右のフロントフォークだけは、強度のために中空加工されていません。

ハンドル上部の成形。

ハンドル上部にハンドル下部を固定する。

ハンドルの中央に、補強用の積層体を接合する。

フレーム用の積層体から、フレーム上側（左）、フレーム下側（右）を切り出す。
それぞれの両側の端材は不要となる。もったいないね～。

各フレーム材の中央部を削って中空加工を行う。

このように中空加工して、マホガニー積層体で蓋をする。

中空加工した箇所と、マホガニー積層体の蓋材の関係。
本当に手が込んでいますな。

接合後に、削り出されたハンドル。
完全なドロップハンドルになりました。
中空加工により、驚くほど軽いです。

フレーム材の両端を接合して、ヘッドチューブを形成する。

中央に金属のチューブを入れて、外をU字状のマホガニー積層体で包む。

フレームの削り出し。
だんだん、丸みを帯びていきます。

フレームと、シートチューブ、シートポストを連結する。
フレームとシートポストの連結部には、木造船に使用されるマキハダが詰められている。

耐久性の高いオランダ船舶ニスで塗装を開始する。
数回塗布しては表面にヤスリをかけ、合計20回以上塗り重ねる。

同様にニス塗装が進められるサドルとドロップハンドル。

さてこれは何でしょう。
マホガニーリムを作るためのマホガニー薄板です。
これから、一枚ずつ両面に超精密鉋をかけて高精度の平面にします。
マホガニーリムの信じられない強度は、この平面度にも由来します。

真円に成形されたマホガニーリムに、スポーク用の穴を開けて、鉋で成形する。

スポーク用の穴。
スポーク固定金具を一つずつはめ込む。

気の遠くなる工程を経て完成したマホガニーリム。
次回は、完成したマホガニーバイク42号機を見ていきます。
特殊パーツも採用されています。
乞うご期待。
PREVIOUS | NEXT

• Lineup of Wooden Ships designed and manufactured by Sueshiro SANO
• Lineup of Mahogany Bikes made by Sueshiro SANO
• Lineup of Mahogany or Teak furnitures made by Sueshiro SANO
• List of all video files in this home page
• Race Results by Mr. Chomei and his Mahogany Bike No. 7

日本語Topへ戻る
Back to English Top